
1年で資料請求数を7倍に!小さな企業の集客をサポートする、シバサキカホです。
実際に問合せ数を増やしたOL時代の経験を元に、一人広報さんの支援をしています。
資料はちゃんと作った。
数字も整理したし、伝えたいことも網羅した。
説明も、決して雑ではなかったはず。
それなのに──
会議の空気は静かで、「で、どうする?」という話には進まない。反対もされないけれど、決まりもしない。
そんな経験をしたことはありませんか?

このとき起きているのは、スキル不足でも、準備不足でもありません。
多くの場合、原因はプレゼンの「流れ」が曖昧なことです。
プレゼンには流れと役割があります。
プレゼンの本来の役割は、相手の状態を変えること。
興味を持ってもらうのか。
納得してもらうのか。
決断しやすくするのか。
それとも、行動につなげたいのか。

ここが定まらないまま話してしまうと、どれだけ内容が良くても、「いい話だった」で終わってしまいます。
今回はプレゼンが通る人たちが必ず意識している5つの流れを、一人広報目線で整理していきます。
プレゼンというと、
「ちゃんと説明すること」
「全部理解してもらうこと」
を目標にしてしまいがちです。

でも実際は、プレゼンにはいくつかの役割があります。
すべてを一度にやろうとするほど、メッセージはぼやけてしまいます。
- 興味の喚起
- 説得
- 納得感の醸成
- 意思決定の支援
- 行動の喚起
それぞれは、相手に求める「状態の変化」が違います。
「ちょっと聞いてみよう」と思ってもらうのか。
「理屈として理解してもらう」のか。
「腑に落ちた」と感じてもらうのか。
「決めやすい状態」にするのか。
「実際に動いてもらう」のか。
これらを一つのプレゼンで全部狙うと、どこにも強く刺さらない内容に…。

だからまず大事なのは、今回は、どこまで行きたいのかを決めること。
- 今日は興味を持ってもらえれば十分
- 今回は判断材料を整理する回
- ここで行動までつなげたい
そう割り切るだけで、資料の構成も、話す内容も、ぐっと整理しやすくなります。
「聞く価値がある」と思ってもらう
プレゼンの最初の役割は、全部を説明することではありません。
まず必要なのは、
「これは自分に関係がありそう」
「少し聞いてみよう」
と思ってもらうこと。

つまり、興味の喚起です。
人は内容を理解する前に、「聞くかどうか」を決めています。
だからこそ、最初の数分が勝負。
ここで興味を持ってもらえなければ、その後にどれだけ丁寧な説明をしても頭に入っていきません。
この段階で必要なのは、完璧な説明や細かい数字ではありません。
- 今、何が問題なのか
- なぜそれが無視できないのか
- それが相手にどう関係するのか
こうした課題提起や、少しの意外性。
そして相手視点の切り口が重要です。
例えば
「これから説明します」ではなく、
「実はここ、今のやり方だと損しています」
と言われたほうが、思わず耳を傾けたくなりますよね。

完璧より、「気になる」。
興味の喚起では、すべてを分からせる必要はありません。
むしろ、少し分からないくらいでちょうどいい。
「続きが気になる」
「もう少し聞いてみたい」
そう思ってもらえれば成功です。
まずは、聞く姿勢をつくること。それが興味の喚起のゴールです。
「なるほど」と頭で理解してもらう
興味を持ってもらえた次に必要なのが、説得です。
説得というと、
「相手を言い負かす」
「強く主張する」
そんなイメージを持たれがちですが、プレゼンにおける説得はまったく違います。

目指すのは、相手に「なるほど」と頭で理解してもらうこと。
この段階で大切なのは感情的な熱量ではなく、根拠・データ・ロジックです。
- なぜそう言えるのか
- どうしてその結論に至るのか
- 他の選択肢と比べて何が違うのか
これを、筋道立てて説明していく。
相手が「そう考えるのも自然だな」と理解できる構造をつくることが、説得につながります。
反論されにくい設計を意識する
説得が弱くなる原因のひとつが、「突っ込まれたら崩れる構成」です。
- 数字の出どころが不明確。
- 前提条件が説明されていない。
- 都合の悪い点に触れていない。
こうした状態だと、内容以前に不安が残ってしまいます。
だからこそ、
・根拠は明確に
・前提は先に共有
・想定される反論にはあらかじめ触れる

相手が自分で「この結論が妥当だ」と思える状態をつくる。
それが、プレゼンにおける説得の役割です。
「分かるし、腑に落ちた」と感じてもらう
説得で「理屈としては理解した」状態になっても、それだけでは、まだ決断には至りません。
- 頭では分かっている。
- でも、どこか引っかかる。
- 少し不安が残っている。

そんな状態のままでは、人はなかなか動けないのです。
そこで必要になるのが、納得感の醸成。
納得感を高めるために欠かせないのが、相手の立場に立つこと。
- 現場は本当に回るのか
- リスクはないのか
- 失敗したときの影響は?
こうした不安や懸念に、あえて先回りして触れます。
「そこ、気になりますよね」と言語化してもらえるだけで、相手は「分かってくれている」と感じます。
| 一度「迷い」を言葉にする | 納得感は、結論を一方的に押し出すだけでは生まれません。 |
| 一度、「本当は迷うポイント」を認める。 | ・迷う理由 ・不安になる要素 ・決めきれない気持ち それを共有したうえで「それでも今回はこう考えました」と結論に向かう。 |

このプロセスがあると、結論がぐっと受け入れやすくなります。
結果だけを提示されるよりも、「どう考えてそこに至ったのか」が見える方が人は納得しやすくなります。
結論に至る思考の流れを共有すること。
それが、「理解」から「腑に落ちる」への橋渡しになります。
正しいかどうかだけでは、人は動きません。
納得できたときに、はじめて決断ができるのです。
「判断しやすい状態」をつくる
プレゼンの場で、「検討します」「一度持ち帰ります」と言われると、少しがっかりしますよね。

でも実はそれ、相手が決めたくないのではなく、決められない状態にあることがほとんどです。
そこで必要になるのが、意思決定の支援です。
人は、選択肢が多すぎると判断できません。
- 案A
- 案B
- 現状維持
など、考えられる選択肢を整理して並べるだけでも、判断のハードルはぐっと下がります。
意思決定を難しくするのは、「見えていないリスク」です。

だからこそ、良い点だけでなくデメリットや注意点もあらかじめ示しましょう。
・ここは強み
・ここは懸念点
・ただし、こう対策できる
そう整理されていると、相手は安心して判断できます。
もうひとつ大切なのが、何を基準に決めればいいのかを示すこと。
・コスト重視なのか
・スピード優先なのか
・将来性を見るのか
判断軸が共有されていないと、話はいつまでも噛み合いません。
意思決定の支援とは、結論を押しつけることではありません。
相手が
「これなら判断できる」
と思える状態を整えること。
それが、プレゼンにおけるこの目的です。
「じゃあ、次どうする?」を明確にする
どれだけ理解されても、
どれだけ納得してもらえても、
行動が起きなければ、プレゼンは完了ではありません。

最後に必要なのが、行動の喚起です。
ここで曖昧になってしまうと、「いい話だった」で終わってしまいます。
行動を促すときに大切なのは、抽象的な言葉を使わないこと。
- 検討する
- 前向きに進める
- 様子を見る
これでは、人は動けません。
代わりに必要なのは、具体的な次の一歩です。

・◯日までに判断する
・まずはこの案で進める
・この資料を共有する など。
行動が起きない理由の多くは、「誰が」「いつ」「どうやって」が決まっていないこと。
だからこそ、
・期限
・担当
・進め方
をセットで示します。
「忙しいから」「後でやろう」は、行動を止める典型的な理由。
それを見越して、
・時間はどれくらいかかるか
・負担はどの程度か
・リスクはどう管理するか
まで示しておくと、行動が現実的になります。
プレゼンのゴールは、話すことでも、理解してもらうことでもありません。
相手が一歩、動くこと。
そこまで設計できて、はじめてプレゼンは「通った」と言えます。
プレゼンが通るかどうかは、話し方の上手さや、資料の見た目だけで決まるものではありません。
本当に差が出るのは、目的がどれだけ明確か。
プレゼンの質は、話す力よりも「どこまで相手を動かしたいか」を決められているかで決まります。
・興味を持ってもらいたいのか
・納得してもらいたいのか
・判断しやすくしたいのか
・行動につなげたいのか
このゴール設定がはっきりしていれば、構成も、伝え方も、自然と整います。
相手の状態の変化をゴールに据えたとき、プレゼンはただの説明から“通るコミュニケーション”に変わります。

