
1年で資料請求数を7倍に!小さな企業の集客をサポートする、シバサキカホです。
実際に問合せ数を増やしたOL時代の経験を元に、一人広報さんの支援をしています。
広報さんというと、明るくてコミュニケーション上手──そんなイメージを持たれることも多いですよね。
でも実際は、普段はおとなしくて、気合を入れて話しているという方も少なくないはず。

私もそのひとりです。
「どう伝えよう」「何から話そう」と考えているうちに、話す順番がこんがらがってしまったり、あとで「あれも言えばよかった…」と反省したり。
ちなみに、私は今でも「あとでああ言えばよかった」反省会はよくしています。
そんなときに役立つのが、“箇条書きメモ”です。
言いたいことを一度「書いて整理」しておくことで、話すのが苦手でも自然と“伝わる”会話ができるようになります。
えいやっと気合を入れる時も、メモがあればそれがお守りのような気持ちになるはず。
今回はしゃべるのが苦手な広報さんへ思考整理のコツをお伝えします。
「頭の中で整理できているつもりだったのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない…」
そんな経験、ありませんか?

それは脳の“ワーキングメモリ(作業記憶)”の容量に限界があるからです。
ワーキングメモリとは、「一時的に情報を頭の中で保持しながら処理する力」のこと。
誰かに伝えたい要点が5つあったとしても、人が同時に覚えておけるのは、せいぜい3~4個まで。
話す前に頭の中で全てを整理しようとしても、情報があふれてしまい、抜け落ちたり、順序が混乱したりするのは自然なことなんです。
そこで有効なのが、“箇条書きメモ”。
書き出すことで、頭の中の情報を「外に出して」整理できます。
紙の上に並べるだけで、優先順位や流れが目に見えて分かるようになるのです。

この「外に出す」という行為こそが、とても大切なんです。
頭の中だけで考えていると、思考はぐるぐると同じところを回りがちです。
私はこれをハムスターの回し車状態、度々表現しています。
一生懸命に考えているのに、実は同じ場所をぐるぐる回っている──
頭の中で考え続けるだけでは、思考は前に進まないことが多いんです。
しかも、考えが堂々巡りになるほど脳は疲弊し、「結局なにも決まらなかった…」「なんとなくモヤモヤする」といった状態になってしまう。

けれど、紙に書き出して「見える化」することで、脳はその情報を一度“手放す”ことができます。
たったそれだけで、回し車から一歩降りて、“自分の考えを客観的に見られる場所”に立てるようになるんです。
心理学ではこれを「オフロード効果」と呼び、頭の中にある情報を一時的に外部に移すことで、脳のワーキングメモリ(作業領域)に“空きスペース”ができ、思考がクリアになるとされています。
書き出すことは「記録」ではなく、「脳の整理術」。
一度“外に出す”ことで、冷静に全体を見渡せるようになり、「今はこれを話そう」「これは次に取っておこう」といった判断がスムーズになるのです。
会議や打ち合わせの前に、頭の中を整理するだけで、話の進み方は驚くほど変わります。
ポイントは、「話したいこと」ではなく、「決めたいこと(=ゴール)」を明確にしておくこと。
たとえば、お客様に「納期を延ばしてもらいたい」「資料の確認をお願いしたい」とき。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 納期を1週間延ばしてもらい、内容をより正確に仕上げるため |
| 相手の立場 | 先方もスケジュールを組んでいるため、「迷惑をかける」と感じやすい |
| 伝え方の工夫 | ・まず感謝と現状の共有を伝える・「より正確な資料にするため」と理由を添える・代替案や新スケジュールをセットで提示する |
こうして箇条書きにしてみると、「自分は何をしなければいけないのか」「どう話せば伝わるのか」──
その道筋が少しずつ見えてきますね。

たとえば、こんな風に話すとします。
〇〇の資料についてご確認いただきありがとうございます。
現在、内容をさらに正確にまとめているところで、ご迷惑でなければ納期を1週間延ばさせていただけないでしょうか?
その分、〇日には最終版をお渡しできるよう進めます。
ここまで整理できたら、私は話す内容も一緒にメモしておくようにしています。
打ち合わせの直前や、電話をかける前に目を通すだけでも、言葉の順序やトーンが整い、焦らずに話せるからです。

いつも仲良くしていただいている方ではなくて、突然その上長さんがお電話口に出て慌てる時ってありますからね。
箇条書きメモは、例えば会議や打ち合わせなどの場面でも応用することができます。
1️⃣ 目的: 新商品のPR → 特徴をどう伝えるか?
2️⃣ 課題: 前回の反応が薄かった理由を分析
3️⃣ 決めたいこと: キャッチコピーと掲載内容を確定する
この3点を書き出しておくだけで、ゴールに向かってスムーズに進行できるようになります。

けれど、紙に書き出して「見える化」することで、脳はその情報を一度“手放す”ことができます。
さらにおすすめなのは、立場などの問題上、可能なら、「全員が見える場所に貼っておく」こと。
目的を共有せずに話を始めると、意見は出ても“結論にたどり着かない”ことが多いもの。
特に大人数になると、一人でも「そういえばこの話で思い出したんですけど…」なんて言い出した日には話があっちにいき、こっちにいき……といった迷子になることに。

結局本題の話をすすめられなかった。無駄な話で終わってしまった。ということになりかねません。
箇条書きメモは、全員の思考を一方向にそろえる“羅針盤”のような役割を果たしてくれます。
箇条書きは、“整理のため”のもの。きれいに書く必要も、完璧にまとめる必要もありません。
思いついたことをとにかく出して、あとで必要なものだけ残せば十分。
手帳でも、付箋でも、スマホメモでも──自分に合う形で続けることが大切です。

思考は“書く”ことで整理され、言葉は“書き出す”ことで磨かれます。
話すのが苦手でも、書いて整理できれば十分。
“伝える力”は、言葉の技術ではなく、考えを見える形にできる力から生まれます。

